カルシウムが長生きにつながるというのはなぜか?

単純考えたらカルシウムというミネラルが長生きの要素として重要だということは、(普通の人は)これまであまり聞いたことがないかと思います。

せいぜい骨が丈夫になるとか、成長期においては身長が伸びるのに役立つとか・・・そういうレベルでの知識・認識である人が大半です。なぜ、カルシウムが長生きにつながってくるのか、面白い現象といっしょに理解をされてみてください。

スポンサードリンク

まずはカルシウムについてです。カルシウムとは?

カルシウムは、ミネラルの一種です。カルシウムが身体の中の骨や歯にとって大切なミネラルだということは、みなさんご存じだと思います。

人間の身体の中にあるカルシウムの1%が筋肉や神経の中にも存在します。生命活動において大切な役割を果たしているのです。

筋肉を収縮させたり、心臓を規則正しく動かすことを助けたり、あるいは血液を固めたり・・・とにかく私たちの身体を機能させるためには大切なミネラルなのです。

まさに、人間の身体の不思議、の話です。

私たちの身体は非常に便利にできています。素晴らしい機能があるのです。
よく聞きませんか?
妊娠したら、赤ちゃんに栄養分をとられてた、骨が弱くなった、貧血気味になった・・・という幸せ感からの会話。

真偽のほどは分かりませんが、限られた量の物質があっちへ行ったり、こっちへ行ったり・・・十分にあり得ることですね。

さあ、では身体にとって大切なカルシウム分が不足したら、どうなると思いますか。

血液中のカルシウムの量が減ると・・・信号がでます(ホルモン)

どんな信号・指令がでると思いますか?
副甲状腺ホルモンがでるそうですが、これが出ると「骨の中にあるカルシウムが溶け出す」ように指示がでるのだそうです。

つまり、(まさに骨身を削っての世界です)骨にあるカルシウムを犠牲にして血液中のカルシウム量を一定に保とうとするのです。

なんと便利な私たちの身体なのでしょう。素晴らしい自動機能です。

しかし困ったことに・・・

カルシウムパラドックスとは?

この「カルシウムを骨から溶かして血液中に出せ!」という指令は、すぐには止まらないのです。実は、今度は必要以上に骨から血液中にカルシウムが溶け出してしまうのです。

あ~、残念!です。

結果どうなるか?

血液中に必要以上にカルシウムが溶け出してきてしまいます。
すると、過剰になったカルシウムは、悪さをしてしまいます。

血液中に過剰になったカルシウムは、当然、血管壁に付着します。

もうお分かりですね。血管の弾力性が失われることになります。・・・ということは・・・動脈硬化、です。やがては、心筋梗塞、脳梗塞・・・

カルシウムが不足すると、カルシウムが過剰になる!・・・カルシウムパラドックスというわけです。

まさに人体の不思議です。

逆に、カルシウムを多く含んだ水を飲んでいると心筋梗塞になりにくい、長生きする、という話もあります。面白いですね。

カルシウム(ミネラル)と長生き(長寿)について

カルシウムパラドックスという言葉については理解されましたね。
一言でいうと、血液中のカルシウムが不足すると、脳が指令を出して骨などからカルシウムを放出しなさい、ということになって、しかもそれが必要以上に放出され血管壁などに付着することになるというものでした。

となると、その沈着したカルシウムが脳の血管で悪さを引き起こすと脳梗塞・脳出血になります。また、それが心臓で起こると心筋梗塞・狭心症を引き起こすことになったりします。

つまり、カルシウムが不足すると(パラドックスが起こることで)深刻な状況になる、ということでした。・・・大事なので繰り返し説明をいたしました。

この反対に、カルシウムの多い水を摂取することは、動脈硬化や心筋梗塞のリスクを軽減することにつながります。
それで、カルシウムの摂取が長生きにつながる、という方程式が成り立つことになります。

ガイド案内ご案内役

人間の身体は不思議なもので、ちょうどバランスよく調整・調節してくれるようにはなっていないのですね。

以前、カルシウム万能主義ではありませんが、カルシウムが身体にいい、カルシウムをたくさん摂取しなさい、というようなことが声高らかに叫ばれていました。
いわゆる健康サプリメントでも瓶詰されたカルシウムの錠剤が絶えずテレビCMに出ていたような気がします。

それがいつの間にか、マグネシウムといっしょに摂取するのが理想というか、いちばんいいのですよ、というようなことになっています。
まあ、こういった話というのは科学の進歩に伴っていくらでもありますね。

例えば、昔は運動の基本は(足腰鍛えるのは)ウサギ跳びだ、ということで精神的なものの強化も含めて(いわゆる根性的な世界で)奨励されていた時代がありました。

今では、とんでもないコトになっています。それこそ一発で膝を痛めてしまうかも知れません。

科学の進歩やいろんな検査・分析などが進んで、むかしの善が、今の時代は悪になる、というのはよくあることですね。

私たちは、確かなモノを見極める「目」というか、自分なりのアンテナを感度の良いものにしておく必要があります。
そして、自分にとって「真実」というものを判断できるだけの能力・脳力が求められることになります。

まとめ

すべてにおいて言えることかも知れませんが、カルシウムがいいとなればそれだけを追いかける、チェックする、求めるというのは利口な発想ではありません。何ごともバランスです。過ぎたるは・・・です。

何もカルシウムだけを摂取しなさいというものでもありませんし、カルシウムはマグネシウムとセットで摂取することが望ましい、しかも量的には比率的には・・・という話もそのとおりにしないとダメだというものでもありません。

極端な話、人は何日も食べなくても死なないようにできています。水は飲まないと死んでしまいますけど。

自分が気づく範囲で、思いだす範囲で、身体が欲しがる範囲でミネラルや栄養素といったものに意識を向けることで大丈夫です。あまり深刻に、しかも厳密に自分を追い込むのではなく心にゆとりをもって対応するくらいがちょうどいいのかも知れませんね。

スポンサードリンク

ページの先頭へ