水の硬度は軟水と硬水? 他にもある?中硬水?【メーカーが教えるうんちく】

日本の水についてまずは水道水を考えてみましょう。それぞれの都道府県で水道局・水道事業という形で運営・管理が行われています。当然、それぞれの地域の水源からの水ですから、その硬度には違いがあります。

また、大手有名メーカーのミネラルウォーターを詳しくみてみますと、日本で一ヶ所の水から製造されて出回っているのは稀(まれ)です。コストや量などの関係から何ヶ所かの日本各地で採水されて製造されていたりします。
当然、それぞれの採水地でその硬度は違ってきます。

いろんな地域を旅したり、道の駅などで地元産のミネラルウォーターなどを購入される時には、ぜひラベルをじっくりとチェックして採水地や硬度などを確認されてみてはいかがでしょうか。

水源からの湧水イメージ画像

スポンサードリンク

水の硬度とは?何の量で計算されるの?

一般的には、地中にしみ込んだ雨水が地層でろ過されるうちに、地層内のミネラルを吸収していきます。それこそ、この水こそがミネラルウォーターと呼ばれるべきものです。

何年もの年月をかけてミネラルが溶け込んだ水が湧き出したり、あるいは地下水脈として眠っていたりします。この湧き出したりした水や地下水脈から汲み上げた水が私たちがミネラルウォーターと呼んで口にする商品となっているのです。

実はこういったミネラルの中でいちばん重要なのがカルシウムとマグネシウムです。この2つのミネラルの量を数値化したものが、水1L=1000mlの中にどれだけの量が含まれているか、ということで数値化したものが水の硬度です。

水の硬度の計算式は次の章を参照してください。

ミネラルウォーターについての定義を日本とヨーロッパで比較しました が、ここでも同じように水の硬度について比較して考察してみたいと思います。

水の硬度の違い(日本とヨーロッパを比較して)・・・国土を考えるとイメージしやすい!

雨水が地中深くしみ込む過程において地中のミネラル分が雨水の中に溶けだしたものが水の硬度に影響するとなると、地形や地層の状況(硬い岩盤かそうでもない地層か)や、そもそもミネラル分を多く含んでいる地層かどうか、といったような違いにより、つまり採水する場所により水の成分は異なってくるのが当たり前です。

ここで日本地図や世界地図を思い出してください。日本は海に囲まれた島国です。しかも、山から海までの距離が短いのです。

特徴(ポイント) 日本・・・軟水が多い ヨーロッパ・・・硬水が多い
雨が降る場所
(山と考える)
高い山に雨雲がぶつかって雨が降る。
日本でいちばん高い山は富士山の3,776m
高い山に雨雲がぶつかって雨が降る。
アルプス山脈など4,000~5,000m級の山々からなる。
雨が流れる川の長さ
(海までの距離)
どちらかというと、すぐ海に流れ込む。
海までの距離が短い。ということは、時間が・・・
海までの距離が長い。
場合によっては、たくさんの国々を経由する。
川の勾配 急こう配が多く、海までの時間が・・・・ 大陸を流れる川は緩やかであり、ゆっくりと流れる。
雨が海に到達するまでの時間 時間が短い。
ミネラルが溶け込む時間が少ない。
時間が長い。
ミネラルが溶け込む時間が多い。
雨水にしみ込む
(溶けだす)ミネラルの量
距離・時間が短いため、ミネラルが溶け込みにくい。
よってミネラルの少ない軟水が多い。
時間をかけてミネラルが溶け込む。
ミネラルの多い硬水が多くなる。

日本の場合は、地形的に(ヨーロッパと比較して)軟水の水になりやすいのです。
つまり、日本人は軟水を飲んで育つのに対して、ヨーロッパの人々は硬水を普通に飲んでいる、ということになります。

当然、それぞれ体質も違ってきて当たり前なのです。日本人は、飲みなれた軟水を美味しく感じると思いますし、ヨーロッパの人々は当然に硬水を美味しいと感じているのではないでしょうか。

日本人である私たちが飲みなれた軟水は、どちらかというとミネラルが少ない水なのです。ミネラルがほとんど含まれていないような(硬度が非常に小さい)軟水であっても(どちらかというと)栄養分の少ない、別の言い方をすると「まろやか」なミネラルウォーターということになっています。

それで、同じ水を飲むならミネラル分の豊富な水を飲んだ方がいい、という考え方もあります。なぜなら食事からミネラルを摂取するだけでは不十分な状況にある人が多いことは間違いありませんから、ミネラル分の豊富な水を飲んでミネラルのバランスを補うということが大切になってきます。
そのミネラルの一つが、希少だといわれるシリカになります。シリカ水は加齢とともに減少していくシリカを補うのに大きな役割を果たしてくれます。

水の硬度の計算式はこれだ!ただ、私たちが式を利用する機会は稀(まれ)ですけど

(水の)硬度=(カルシウム量mg/L×2.5)+(マグネシウム量mg/L×4.1)

これが硬度を算出する計算式になります。
私たちが目にする、ミネラルウォーターのラベルに記載表示されている硬度はこの計算式で算出したものなのです。

この基準となる数値が WHO(世界保健機関) で示されています。

基準値は120mg/Lです。
WHOでは120mg以上を硬水、120mg未満を軟水と定義されています。

水の硬度【海外の基準】

(1リットル当りのmg)

分類 軟水 硬水
硬度 0~120mg未満 120mg~(以上)

【分類】WHO(世界保健機関)による分類

実は、さらにこの軟水と硬水は細かく分類されます。

(1リットル当りのmg)

分類 軟水
・・・軟水
中程度の軟水
・・・中硬水
硬水 超硬水
硬度 0~60mg未満 60~120mg未満 120~180mg未満 180mg~(以上)

【分類】WHO(世界保健機関)による分類

海外の水の中には、とんでもないくらい硬度の高いものもあります。それを違和感なく飲むことのできる外国の人たちってすごいですね。
「住めば都」ではありませんが、小さい頃から自然に(普通に)飲んで成長するということの不思議さですね。

※参考までに
日本での分類は、以下のようになっています。

日本の水の硬度分類・・・100mg/Lが軟水と硬水(中硬水)とのボーダーライン

日本は、軟水とそうでないかのボーダーラインが100mg/Lになっています。100mg/Lまでが軟水ということになります。
ということは、同じ軟水でも(実際には)かなりの差があるということも言えるかと思います。

1リットル飲む時に、0~100mgの範囲内にあるということは、あるミネラルウォーターの硬度が20mg/L、別のミネラルウォーターが70mg/Lだとすると・・・50mg/Lの差があります。
これは、錠剤にすると7、8ミリ~1センチ程度の錠剤が約100mgくらいと言われていますから、その半分くらいの違いということになります。

※500mlのペットボトル1本で、錠剤半分くらいの違いがでる、というケースもありえるということです。
このミネラルの違いを大きいとみるか、小さいとみるかは意見が分かれるところだと思います。あなたなら、どう考えますか。


軟水中硬水硬水
0~100mg/L100mg超~300mg/L300mg/L超~

カルシウムとマグネシウムの量で違ってくるのが水の硬度です。
※ただ、私たちが舌でその違いを認識できるかというとまず無理な話です。皮膚感覚として「この水、美味しいね」という感じでしかわからない世界だと思います。たぶんに好みの問題になってきますね。

まとめ

日本人にとって水と言えば、軟水です。学者さんによっては、ミネラルの少ない・栄養分の少ないスカスカの水、という言い方をする人もいらっしゃいます。
でも、まろやかな水であることは間違いありません。もちろん人によっての好みの問題もありますし、肉を食べている時、和食を食べている時・・・日々のシチュエーションでも舌の感覚は違ってくるかと思います。

水の硬度にあまりこだわることなく、もっと軽い感じでいろんな場面場面で使い分ける、というくらいの気持ちでいた方がいいかも知れません。無理に決めつける必要もありませんね。

もちろん、たかが水でしょ?という人もいらっしゃるかと思います。何でもいい、喉の渇きさえ潤すことができればという考え方です。ルールはありませんから、自由に好きなように選択して楽しむとができればそれが一番です。

ただ、一つだけ知っておいていただきたいのは赤ちゃんに飲ませる時の話です。【シリカ水メーカーからのうんちく】としてぜひ頭の片隅にでも入れておいていただきたいことがあります。

シリカ水を赤ちゃんに飲ませてもいいの? でも触れましたが、赤ちゃんは内臓機能、腸の働きなどが未発達な状態です。大人と比べてまだまだ発展途上・成長過程なのです。
ですから、母乳で育てるママさんならばママさんが軟水の水を飲む、また赤ちゃんのミルクに使う水を選ぶとしたら軟水でしかも超軟水(造語です)というくらい硬度の低いものがお薦めです。

赤ちゃんが少しずつ離乳食を口にするようになる頃からなら、普通の軟水であれば問題ないかと思われます。

スポンサードリンク

ページの先頭へ